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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)

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三時間を越える長尺、重い内容、ノースター…およそ興行とは縁遠い作品のように思えるが、とっころがどっこい、ぎっしり満員。ヴェーラも客入ってるけどテアトルもすごいなぁ。いかにもなオジサン、オバサンたちに混じって若いカップルなんかも目立つ。
しかし若松はスゴイ。長谷川和彦が監督人生の三十数年を無駄にしてしまった呪われた企画をいとも簡単に成し遂げてしまったのだから。
何年か前、ゴジ版の「連赤」が自主映画レベルでの製作で立ち上がったことがあるが、当の監督が一方的に中止にしてしまったらしい。その規模でこの素材をやることに自信がなかったのではないか、と当時のスタッフに参加した友人から聞いたことがある。
今回の若松版はまさにその規模。あの時立ち上がったゴジ版が完成していたとして出来はソレに較べて遜色なかったのではないだろうか?十分に見ごたえがあり面白い!
権力に対して闘っていた者たちが身近な権力に対してはどーすることもできないアイロニー。そんなメンタルのニッポン人に最初から革命など無理なハナシだったことを冷静に見据えている。実はその視点はまさに当事者たちがお客さんだったころとなんら変わってないのをシネマヴェーラ渋谷の特集上映などでサイキン知ったわけだが…。
永田洋子よりも重信房子よりも『総括』に殺された遠山美枝子(坂井真紀)にウェイトが置かれてる作劇に感心した。いまわの際、遠山の脳裏によぎるのが親友の重信の姿…常に行動をともにしていたにも関らず一方はジャンヌ・ダルクと持ち上げられて一方は山小屋の中で発狂しながら朽ち果ててゆく。二人の運命を分かつものはいったいなんだったのだろうか…残酷な運命に思わず涙した。遠山に関らず、若松の視点は殺すものよりも殺されるものに向けられる。それは「赤軍―PFLP世界戦争宣言―」の赤バス上映で彼らを煽ってしまった贖罪なのだろうか。
「実録」ということで必要以上のドラマを作らない。起きた事件を、殺される人間を順番どおりに提示してゆく。そこでドラマを無理にブリッジのように作らない。3時間のランニングタイムの中でさらに観客に考えさせる余裕が映画に深みを与えている。
ほとんどが無名の若い俳優たちであることも素晴らしい。誰が生き残り誰が死ぬのか読めない緊張感がある。特に永田洋子役の女優は絶品だった。常に獲物を物色するかのような目の動きがいい。
今年公開した日本映画の中では現時点ではダントツの一位である。

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2008年4月

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