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「青春讃歌 暴力学園大革命」(75)

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渋谷シネマヴェーラで鑑賞。

いやぁ、これは珍品!しかもこんなさわやかな東映作品はじめて観た。キャストも星正人、長谷直美、佐藤祐介、テレサ野田、林寛子、ガッツ石松、滝田裕介、村野武範といった東映らしからぬ顔が並ぶ。コワモテがひとりも出てこない。敵役の岩城滉一が現れてやっと東映らしくなるが、星も岩城も本作がデビュー作。コレ、封切りで観た客は入ったコヤを間違ったと錯覚したに違いない。
冒頭、主人公の星正人が凄惨なリンチを受ける場面からはじまる。リンチをする側は「折り紙の兜」(なんで!?)を被っていて星を殴る蹴る。一方の星は殴られながら「ありがとうございます!」と叫んでいる。「いったいなんだよ」と思うが、どうやらコレは不良グループの「引継ぎの儀式(!?)」であることがわかる。
で、めでたく番長を引き継ぐ星だが、星はスポーツ万能の優等生。とても不良に見えない。確かにルックスはいいのだが、どう観ても東宝キャラ。おまけに台詞はほとんど棒読み。本作で売り出そうとしている星正人のアイドルぶりはすさまじく。番長で、アメフトのエースで、キャバレーのギター弾きで、ボクシングジムのプロ候補生で、おまけにバキュームカーでの汲み取りのバイトまでしていて、まるで「華麗なる挑戦」の悦ちゃんばりの七変化。
番長・星の「改革」がはじまる。星が引き継いだ不良グループは生徒会に協力する形で他校の不良から生徒を守る「自衛隊」になろうとするものだ。さらに彼らは「愛される不良」を目指す。万引きしたら「金を払え」、「無駄な暴力はふるうな」、挙句に「授業中は静かにしろ」と子分どもを一喝。どんな不良だよ。多分、星についていけない不良たちが他校のスパイになるプロットなんだろうなと思う。いかにも東映的な展開。ところが子分たちは皆、星に従順で裏切る気配はまったくない。タイトルの「暴力学園大革命」とは荒廃した学園を「真面目に改革」することだったのだ!たしかに「大革命」ではあるわな…。でも、それでいいんか、東映!
で、ドラマの確執は、暴力では何も解決しないとする佐藤祐介の生徒会長と、時として正しい暴力は必要だとする星正人の主張の対立に絞られてくる。しかも星も佐藤も童顔。おまけに長谷直美もテレサ野田もメチャクチャかわいいので、だんだんまるでユニオン映画や東宝製作の日テレ青春ドラマを見てる気になってくるのだった。まさに「青春讃歌」。
どうやら、テーマは「憎しみの連鎖から何も生まれない」というもので、9.11からイラク戦争に至る今日ならヴィヴィッドなテーマなのだが当時の「やられたらやりかえせ!」を錦の御旗に掲げる東映作品の中では異色中の異色。まさに当時のゆるいテレビドラマの「ザ・ムービー」版の趣き。それを内藤誠はいかにも70年代青春ドラマっぽく演出してるのにはほとほと感心。どこまで器用なんだ!「チキショー涙ってヤツは、どうしてこんなに簡単に流れてきやがるんだ!」というラストの台詞には大爆笑。小椋桂の主題歌とともに四行詩が出てくるかと思った(爆)。嗚呼「青春讃歌」…。

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2008年4月

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