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このDVDを観よ! 「ラストラブ」で爆笑!

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当然ネタバレ。おおいにネタバレ。むしろネタバレがなきゃ見る気がしないだろう。

田村正和は世界的なサックスプレイヤーだったのだけど、仕事にかまけて妻の高島礼子の癌に気づかず死なせてしまって以来、友人の片岡鶴太郎の旅行代理店に勤めている。
ある朝、田村がゴミを出したら伊東美咲の清掃員(!)とトラブル。美咲はゴミの分別が出来てないと田村をなじるが田村は逆ギレ「ゴミ屋」とののしる。キレた美咲は颯爽とその場で作業着を脱ぎ捨ててスーツ姿に!「あんたこそゴミ親父よ!」と啖呵を切るのだが、ちょっと待て。なんで作業着の下にスーツ着てるんだよ!(お前は007にでてくるヒロインか!しかもなんでその場で脱ぐんだ!)
伊東の正体は神奈川県庁の清掃局の職員で実地調査をしていたらしい。役所に戻ると上司の山崎一から予定していたニューヨークの会議に代わりに出てくれといわれる(いきなりかい!NYで会議ってどんな県庁やねん!)。さすがの美咲も「何の用意もしてないから」と断るのだが婚約者の細川茂樹と箱根旅行のためのボストンバッグを持ってきていたため(んなもん会社にもってくんなヨ。まぁ製作部的にこれで衣装は大丈夫!)渋々ニューヨークに向うのだった。(よくパスポート用意してたなぁ)
一方、田村もニューヨークツアーの添乗員に空きがでたから代わりに搭乗することになり(ンナ、アホな!)、二人は飛行機で再会。「あーゴミ女!」「あーゴミ親父!」二人は通路を挟んで隣同士に…。「偶然が重なればそれは運命なのだ」(by YOSHI ウソ)
ニューヨークでの田村の仕事が紹介される。二階建てバスでツアー客相手に「添乗員の阿川です」と自己紹介してるが椅子の背に肩をまわしてあきらかに舐めた態度。とても客商売とは思えない。しかも田村が仕事らしい仕事をしてるのはそのワンカットだけ。
セントラルパークで死んだ女房を思い出して独り黄昏に耽ってる田村(…仕事せぇや。何サボってんねん!)。そんなときまたも「偶然」にやってくるのが伊東美咲(お前も仕事せぇや!)。二人は何の説明もなく互いの身の上話を聞くような間柄に…。ここでもツッコミ満載珍奇な台詞満載なのだが先に進む。
ホテルに戻った美咲に婚約者から電話。「もう、別れよう」「え、なんで!?」(ホントになんで、だよ!?よっぽど箱根を楽しみにしてたのか?ちいせぇヤツだな、細川)「俺は君の計画通りには生きられない」(あ、コッチが理由ね。それならわかる。たしかに勝手にニューヨークで式挙げるとかで教会を独りで決めるようなヤツだからな、美咲は)ショックを受けた美咲は大事な会議をすっぽかし(何しに来たんだよ)ホテルの部屋でウィスキーボトルを何本も空けて酩酊状態。ロビーで美咲の部下と会った田村は美咲の様子がヘンだという情報を聞き「よし、わたしが行こう!」と彼女の部屋へ…。(なんで、お前が行くんだよッ!理由がないだろ理由が!!)
ここで驚きの事実が出てきます。NYのインターコンチネンタルホテルはいまどきオートロックでもなんでもないのだ!田村はノックをして反応がないのでフツーにドアを開けて中に入っていきます。そこにはテラスから身を乗り出してる美咲の姿が…(しかしなんて危険なホテルなんだ、インターコンチネンタルってトコは)。
美咲の投身自殺を救った田村は馴染みのジャズクラブに連れてゆく。そこで演奏する黒人ジャズメンたちがステージから田村に呼びかける。「アキラ、アキラじゃないか」「NYに帰ってきたのか」「是非演奏してくれ」最初は嫌がっていた田村ものこのこステージに上がる頃にはすでにまんざらではない様子でサックスを吹き始める。曲は「ビギン・ザ・ビギン」。
俺、あんまり音楽に詳しくなく演奏の良し悪しは全くわからないのだが、本作のため田村が特訓したという「ビギン・ザ・ビギン」はまるで「ラーメン屋のチャルメラ」にしか聞こえない!いや多分、玄人目にはスゴイのだろう。会場で偶然演奏を聴いた凄腕プロモーターのユンソナ(なんでユンソナ!)は田村の「全米横断ツアー」(お、大きく出たねぇ)を企画するぐらいだから。
さて、日本に帰って日常がはじまる。田村には娘がいて(演じるはTV版「ちびまるこちゃん」)彼女はピアノ教室で友だちになったお姐さんを連れてくる。それがまたもや伊東美咲。「偶然が何度も重なるほど運命はその強度を増すのだ」(by YOSHI ウソ)
二人はとうとう恋に落ちる。歳の差を越えて燃え上がるのだが、セックスシーンはない。まったくない(それは伊東が嫌がったというより田村が「脱ぐのを嫌がった」のかも?何しろ大スターさんだから)。お互い恋仲であっても一歩が踏み出せない。女房を死なせたことによる罪悪感で恋に臆病になっているのだ。(女子中学生か、オマエは!?)
ここから物語は急変する。田村は癌で余命三ヶ月なのだ。本人に堂々と告知する医者のなんという潔さ(ひょっとしてサドか!?)。悲しみにくれながら田村は埠頭の倉庫街でサックスを吹く。音色はやっぱりチャルメラだ。吹き終わって号泣する田村。遺されるちびまるこを思ってか?いや違う。自分のために泣いていたのだ。その証拠に彼は残された人生を自分の夢に賭けるためNYに旅立つのだった。(なんて勝手なヤツ。)

ま、ストーリーだけ追いかけるとこんなカンジ。それだけでも笑えるんだけど、田村正和は思いれたっぷりに演じその独特な台詞廻しが爆笑を誘うのだ。

「俺の時間は過去だよ、君の時間は未来じゃないか」
「恋には覚悟が必要だよ」
「君のおかげで人生にけりをつけられそうだ」
「人を好きになるのに右往左往しなかったら、好きになる意味がないだろう」
「生きてることが苦しいと思う…しかしそう思いながらも生きるしかないんだ」
「恋には命を賭ける、結婚には幸せを賭ける…ところが君の場合どちらかはない」
「俺は若い相手には優越感しかないんだよ…人生を十分に生きてきたからな」
「皮肉なもんだな…女房と同じ病気で死ぬなんて」

こうして字にするとおかしさは余り伝わらないが、田村正和が独特の間と身振り手振りをまじえながら語るとまるで時代劇の所作のように見え爆笑してしまうのだ。
台詞を受けてるだけの田村もすごい。相手の芝居なんか受けてない。自分がどのように映っているかだけが最優先されているのだ。相手役は木偶の棒であればあるほどいいのだ。だから伊東美咲なのだ。それゆえ器用な子役には愛情のかけらもない。
鶴太郎とスナックで飲んでて倒れるシーンがあるのだが、そこでの田村の演技がすごい。フツーに倒れればいいだけなのに、まるで大部屋の斬られ役のように見栄を切って倒れるのである。ぶははははは!!!!!!
すごい、すごいぞ田村!すごいぞ正和!さすが板妻の倅だ。

これはラブストーリーではない、いや映画でもない。もはや「田村正和」というひとつのジャンルである。世間的な常識が無視され「田村正和」という宇宙でしか通用しないルールがそこには存在している。
すごい、すごいぞ田村正和。すごすぎるぅう!!

是非「ラストラブ」の続編を作って欲しい。主人公が死んでいても構わない。「実は双子の弟がいた」という昔懐かしい設定がこの映画なら違和感なく活きるに違いないから。

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2008年4月

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