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「世界大戦争」で味わう至福

| | コメント(2)
ラピュタ阿佐ヶ谷、特集「映画監督 松林宗恵」最終日・最終回「世界大戦争」(61)。千秋楽ということで松林監督、星由里子さん、宝田明さんのトークショーがあった。
御年88歳という松林和尚の達者さに驚かされる。まったくボケてなくカツゼツも完璧。記憶力も抜群。「星クンは死んじゃうけど、船に乗ってる宝田チャンは海の上だから助かるんだよね」と上映前に自らネタバレ。監督自身の発言だから怒るわけにはいかずひたすら苦笑。
星さんはわざわざ京都から、宝田さんは舞台を終えて急遽駆けつける。二人とも「世界大戦争」が大好きだそうだ。話がついつい長くなる監督に気づかれないように宝田さんは時々小突くマネをして笑わせる。終了後も自ら舞台の椅子を片付けたりしてショーマンぶりを発揮。無駄のないその動きはさすがの演劇人。
上映が始まりナント!星さん、宝田さんは私の真後ろの席で鑑賞。二人とも久しぶりに見るらしく画面を見ながら昔話を弾ませる。まるで生オーディオコメンタリー。神経質な映画ファンなら怒るかもしれないが全然気にならない。むしろ嬉しい。
映画は、山村聰の首相、上原謙の外相、中村伸郎の官房長官、河津清三郎の防衛庁長官といったオールスター内閣が出てくるものの戦争に至るまでの政治的描写は乏しく、もっぱらフランキー堺・乙羽信子夫婦の一家、長女の星由里子その恋人の宝田明といった市井の視点で「核戦争」を描いてゆく。戦争や政治を描くとき映画はそれから一番遠い人物を主人公に置くべきだと常日頃から思っているのだが、本作の脚本担当・八住利雄と木村武の異色ゴールデンコンビの方法論はまさに我が意を得たりの思い。ささやかな家族の夢や希望を一瞬にして奪う戦争に対する怒りは元・海軍士官の松林宗恵だからこそ重みがある。
それになんと言ってもデビュー間もない星由里子(当時19歳)の可憐さに痺れた。クライマックスが近づくにつれてオーディオ・コメンタリーはすっかり大人しくなるのだが、やがて後ろから嗚咽の声が…。画面では泣いてる星由里子。後ろにもやっぱりむせび泣く星由里子。ああ、奇跡のようなセンサラウンド・システム!
円谷英二の特撮はCG全盛の今見るとあまりのショボさに脱力するのだが、そんなの関係ねぇ!とばかりに至福の体験に酔ったのでありました。

コメント(2)

チャーリー :

生オーディオコメンタリー!
羨ましい限りですね。
先週末封切り映画の初日舞台挨拶の模様をTVでやってましたが、いくつになっても好きな作品の好きな俳優・女優さんや監督には胸トキメキます。

南木顕生 :

チャーリーさん

コメントありがとうございます。
こういう体験は痛し痒しのところもありますが…。(笑)

なかには「うるさいっ」と一喝する人もいるかもしれませんし…><

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2008年4月

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