"Forbidden Hollywood: The Hilarious Musical Spoof of the Movies"
「フォービドゥン・ブロードウェイ」の作者ジェラード・アレッサンドリーニが、パロディの対象をブロードウェイのショーからハリウッド映画に変えて作った、シリーズ番外編のような性格のショーです。これも来日公演があったので見に行きました。替え歌を中心とするスケッチが続く構成や、出演者が男女2名ずつ、ピアノ1台の伴奏といった点は、「フォービドゥン・ブロードウェイ」とまったく同じです。
「フォービドゥン・ハリウッド」は1995年に上演されたので、94~95年に公開された映画が槍玉にあげられているケースが多いですが、旧作のパロディも含まれています。替え歌の歌詞が辛らつで容赦がないのはここでも一貫しています。
オリジナル・キャスト盤のCDから曲をいくつか紹介してみます。
・「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994年)
"Life Is Just a Bowl of Cherries"の替え歌で
ガンプに扮した男優がベンチに座っていると一枚の羽根が飛んできます。彼は羽根を指差して、「これ、何の意味があるの?」と言い、「人生はチョコレートの箱のようなもの」なんてバカバカしいクリシェ(決まり文句)だ、と歌います。
・「アラジン」(1992年)
"A Whole New World"の替え歌"A Disney World"
アラジンとジャスミンに扮した2人が、ディズニーのキャラクターは世界中に行き渡り、今や全世界がディズニーの支配下に置かれている、と歌います。
・ドリームワークスの三つ子
映画「バンド・ワゴン」(1953年)の"Triplets"の替え歌で
スティーブン・スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンバーグ、デビッド・ゲフィンに扮した3人が赤ちゃんの格好で登場します。そして、ぼくたちいっしょに会社を作ったけど仲が悪いんだ、残りの2人を撃ち殺して1人になれたらせいせいするのに、と歌います。
・サマー・ムービーズ
まず、メリル・ストリープに扮した女優が登場し、「マディソン郡の橋」(1995年)のストーリーを語りはじめますが、なぜか「愛と哀しみの果て」(1985年)のときのデンマーク訛りで、わたしはアフリカに農場を持っていたと言ってしまってから、アイオワと言い直します。そこにバットマンに扮した男優が登場し、夏の間は年寄りがキスする映画なんかおよびじゃないんだと、メリル・ストリープを追い払います。ここからは「グリース」の中の"Summer Nights"の替え歌で、サマーシーズンの映画は、突き詰めればセックスと暴力、メル・ギブソンの尻と車の爆発だと歌います。
・「マイ・フェア・レディ」(1964年)
"Show Me"の替え歌で"Dub Me"
オードリー・ヘップバーンに扮した女優が登場し、わたしは首が細すぎて声が出ない、だからマーニ・ニクソンを雇って歌を吹き替えにしてちょうだいと歌います。当時、オードリー・ヘップバーンが歌った数曲の録音が保存されていたのが見つかったので、そのニュースを反映させた替え歌でしょう。彼女の音のはずれた歌いぶりを誇張して演じており、わたしは大笑いしましたが、オードリー・ヘップバーンのファンは気を悪くするかもしれません。
「フォービドゥン・ブロードウェイ」のオリジナル・キャスト盤はスタジオ録音ですが、「フォービドゥン・ハリウッド」のそれはライブ録音で、観客の歓声や笑い声も収録されています。観客の反応は上々で、的を射た批評に賛同の拍手を贈っています。たとえば、「アラジン」の替え歌は、ディズニーに魂を抜かれたわたしたちはプラスティックのゴミみたい、ちょうどディズニーのキャラクター人形のように、というブラックな歌詞で終わるのですが、これも大受けです。来日公演のときの周囲の反応は、これほど良くなかったように覚えています。CDを聞きなおしてみて、ジョークの好みがアメリカと日本でかなり違うことを改めて感じました。




















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