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「ミステリマガジン」2008年2月号

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「夢想の研究」の著者、瀬戸川猛資氏は本来ミステリーの評論が専門で、「夜明けの睡魔」(単行本:早川書房、文庫:東京創元社、創元ライブラリ)という1970年代以降の比較的新しいミステリー小説を論じた本が有名です。彼はまたトパーズプレスという出版社の主宰者でもありました。トパーズプレスは、「雨の午後の降霊祭」や「狩人の夜」といった映画の原作小説を刊行したり、雑誌「スクリーン」の長期連載をまとめた双葉十三郎著「ぼくの採点表」シリーズを刊行してくれた、映画ファンにとって貴重な出版社でした。

「夢想の研究」と「夜明けの睡魔」は単行本にまとめられる前、月刊誌「ミステリマガジン」に連載されていました。この雑誌は基本は小説誌で、"Ellery Queen's Mystery Magazine"や"Alfred Hitchcock's Mystery Magazine"に掲載された欧米作家の短編が翻訳で読めることがウリになっています。しかし、日本オリジナルのエッセイ、評論もさまざまな書き手が手がけていて、映画に関するものも混じっています。わたしの場合、「ミステリマガジン」はエッセイを中心に読んでいて、小説はスキップするという本末転倒の読み方をしています。エッセイもすべて読むわけではなく、興味の持てないテーマのものや、文章が肌に合わないものは飛ばしています。

過去の連載で毎号楽しみにしていたのは、「夢想の研究」のほか、山田宏一「美女と犯罪」、小熊文彦「彼らもまた忘れられた」などです。中には単行本にまとまっているものもあります。どの連載も、新作・旧作を問わず、面白い映画とそれにまつわるエピソードを教えてくれました。

今月発売の「ミステリマガジン」をめくると、1975年から93年まで編集長をつとめた菅野氏の追悼文が164-5ページにありました。上記の連載のほとんどは菅野氏が編集長だった時期のものです。204ページのオットー・ペンズラー氏の連載では、先月亡くなったアイラ・レビンの追悼にかなりのスペースが割かれています。

先月号で大幅リニューアルした「ミステリマガジン」の連載陣は、現在もにぎやかな顔ぶれですが、わたしが現在注目している連載はありません。それでも、ちょっと流し読みしただけで面白そうな本とDVDに関する記事を見つけました。158ページで紹介されている川本三郎著「ミステリと東京」(平凡社)と、209ページで紹介されているアレック・ギネス主演「カインド・ハート」のDVDです。映画専門誌は、当然ながら映画の情報で全ページが埋まっていて、その中から自分に必要な情報を見つけるのは大変ですが、ミステリー関連にしぼられた雑誌から映画の情報をピックアップするのは簡単で効率がよいです。連載は読まなくなっても、映画情報を求めてこの雑誌を読み続けると思います。毎号、河原畑寧氏の映画批評も載っていて、これもおすすめです。

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