「AFI功労賞授賞式」シリーズ
AFIのサイトでDirecting Workshop for Womenのページを開いてみると、リー・グラント以外にジョアン・ウッドワード、エレン・バースティン、シャーリー・ナイトなどの有名女優も、ここで過去に演出を学んだ人々のリストに名前があがっています。「愛は静けさの中に」(1986年)のランダ・ヘインズ監督、「テスタメント」(1983年)のリン・リットマン監督の名前も見えます。
AFIは教育機関でもあるわけですが、一般人にとっては授賞式の模様がテレビ番組として放送される<AFI生涯功労賞>や、やはりテレビ番組の<AFIが選ぶ名作映画100>とか<AFIが選ぶ名台詞100>で馴染みのある名前でしょう。わたしも先ず、AFI Lifetime Achievement Awardを連想します。この賞の初期の授賞式は、レーザーディスクのボックス・セットで発売されたものを持っています。DVDは発売されたかどうか分かりません。この授賞式は、受賞者・司会者・スピーチする顔ぶれの組み合わせが興味津々ですし、受賞者の過去の作品から抜粋したクリップ集と各人のスピーチもよく出来ていいるので、面白くてためになります。娯楽番組として見て楽しめるだけでなく、資料的価値もあると思います。
「栄光のハリウッド AFI功労賞に輝く巨匠とスター」はVol.4まであります。各巻に収録されている監督・スターは次のとおりです。
Vol.1 第1回ジョン・フォード、第2回ジェームズ・キャグニー、第3回オーソン・ウェルズ、第5回ベティ・デイビス
Vol.2 第6回ヘンリー・フォンダ、第7回アルフレッド・ヒッチコック、第8回ジェームズ・スチュアート
Vol.3 第9回フレッド・アステア、第10回フランク・キャプラ、第11回ジョン・ヒューストン、第12回リリアン・ギッシュ
Vol.4 第13回ジーン・ケリー、第14回ビリー・ワイルダー、第16回ジャック・レモン
第4回ウィリアム・ワイラーと第15回バーバラ・スタンウィックが省かれているのは<権利の関係>のためだそうです。第1回授賞式は1973年で、毎年1人ずつ選ばれているわけですが、重要な名前が欠けているように感じます。チャールズ・チャップリン、キャサリン・ヘップバーンなどです。ひとつには、授賞式の模様を番組として放送することが前提なので、海外在住で呼び寄せるのが難しかったり、テレビ出演を拒否していたり、病気などの理由で人前に出られなかったりする人は、授賞対象にならないものと考えられます。とはいえ、受賞していない監督やスターも、ほかの人の回でスピーチを聞けるケースが多いため、この番組は貴重です。
日本語版は、レーザーディスクのボックス・セットが初めてではなく、民放の深夜番組として放送されていました。わたしは関西に住んでいたとき、ヒッチコック監督の回を見たのが最初だったと思います。司会のイングリッド・バーグマンがジョークを言ってスベッたのをかすかに覚えていて、ボックス・セットを買ったときにその部分を見て記憶がよみがえりました。この授賞式の舞台裏について、晶文社から出ている「ヒッチコック/トリュフォー 映画術」のあとがきで、フランソワ・トリュフォー監督が語っています。興味深いエピソードなので一読をおすすめします。
ほかにアステア、ワイルダー、レモンと第17回のグレゴリー・ペックの授賞式は<KTV洋画劇場>の枠で見ましたが、これはカット版だったようです。<KTV洋画劇場>では同じ監督やスターの作品をまとめて放送することが年に何度かあり、そうした特集のラインナップに授賞式が加わっていました。カットされていても、その監督やスターのファンにとって嬉しいサービスだったのではないでしょうか。第18回以降は、関東に引っ越してしまったので、放送されたのかどうか知りません。
第24回のクリント・イーストウッドと続くマーティン・スコセッシの回は、CSでの放送を見ました。CSはチャンネル数が多くて追いかけきれませんし、まだまだ現役の人が受賞するケースが増えて<生涯功労賞>と呼べない気がして、最近は興味が薄れています。授賞式は毎年キチンと開かれていて、第35回の今年はアル・パチーノが受賞し、来年はウォーレン・ビーティが受賞することが公表されています。




















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