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"Prime Time Musicals"

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テレビの黄金時代と呼ばれる1950年代に生放送されたドラマの中には、映画化されたり舞台化されたりして今も親しまれているものがたくさんあります(「十二人の怒れる男」「マーティ」「ダイヤルMを廻せ」「奇跡の人」「ニュルンベルク裁判」・・・)。それらは舞台劇でいうストレートプレイばかりです。テレビのオリジナル作品にはミュージカルもあるのですが、そのことはあまり知られていません。わたしもブランディ版「シンデレラ」が放送されるまで知りませんでした。

しばらく前、"Prime Time Musicals"というCDを入手しました。これにはコール・ポーター、アーサー・シュワルツなどの一流どころが、主として50~60年代にテレビのために書き下ろしたミュージカルの曲が集められています。オリジナルの録音ではなく、当時のスコアを新たに編曲して、現代の実力派歌手たちが歌っています。

小冊子の解説から抜粋しますと、次のようなオリジナル・ミュージカルがテレビのために作られていたそうです。
・コール・ポーター作詞、作曲、S・J・ペレルマン台本による「アラジン」は、サル・ミネオ主演、ほかにシリル・リチャード、ベイジル・ラスボーン、アンナ・マリア・アルベルゲッティが出演。
・バート・バカラックとハル・デビッドのコンビが「プロミセス、プロミセス」の直前に手がけた"On the Flip Side"は、リッキー・ネルソン主演で落ちぶれたロックンローラーが天使に救われるという筋書き。
・バーナード・ショーの戯曲を「シャレード」などのピーター・ストーンが脚色した"Androcles and the Lion"は、ノエル・カワードとノーマン・ウィズダムの主演。作詞、作曲はリチャード・ロジャース。
・ビング・クロスビーとジュリー・アンドリュース主演の"High Tor"は、マックスウェル・アンダーソンが自身の戯曲を脚色し、作詞も手がけたもので、作曲はアーサー・シュワルツ。クロスビーは山の所有者の役で、その山でアンドリュース扮する300歳の幽霊を見つける話。
・ベティ・ハットンとケビン・マッカーシーが主演した"Satins and Spurs"は、「ボタンとリボン」「ケ・セラ・セラ」などのジェイ・リビングストンとレイ・エバンズが作詞と作曲を担当。ロデオ・クイーンとカメラマンのラブストーリー。
・キャロル・リンレーが15歳のときに出演した"Junior Miss"は、ドロシー・フィールズ作詞、バートン・レーン作曲。ドン・アメチが父親、ジル・セント・ジョンが姉の役で共演。
・オスカー・ワイルドの「カンタヴィルの幽霊」ミュージカル版は、マイケル・レッドグレーブ主演。作詞、作曲は「屋根の上のバイオリン弾き」のジェリー・ボック&シェルドン・ハーニック。
・ベティ・コムデンとアドルフ・グリーンが書いてジュール・スタインが曲をつけた"I'm Getting Married"の出演者はディック・ショーンとアン・バンクロフトの2人のみ。
・サミー・カーンとジェームズ・バン・ヒューゼンは、ソーントン・ワイルダー作「わが町」のミュージカル版(フランク・シナトラ、ポール・ニューマン、エバ・マリー・セイントほか出演)とジーン・ケリー主演の「ジャックと豆の木」に曲を提供。
etc.

多彩な作品群ですが、「シンデレラ」と違って何度もリメイクされたり劇場で上演されたりはしていないようです。CDに収められた曲を聞いた限りでは質も高そうなのに、このままではもったいないです。
こういうアンソロジーをCDの形で世に出すことで、テレビ・オリジナルのミュージカルを見直そうと提案したプロデューサーのブルース・キンメルはエラいと思います。

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