「20年目の疑惑」
「セレブリティー」も「レッサー・エヴィル」も、主役は男性ばかりで過去の罪をひきずっている話ですが、こういう話の女性版はなかったかと考えているうちに、ちょっとテーマは違うものの、表題の作品を思い出しました。日曜洋画劇場で放送されたTVムービーで、副題も含めると「20年目の疑惑/女子大生寮に秘められた6人の過去」となります。アメリカでの放送は1979年ですが、日本では1986年でした。
古くなった女子寮の建物が壊されて、その跡から胎児の白骨が発見されます。該当する時期に寮にいた女性6人が集められます。1950年代当時、違法だった堕胎を寮で行ったのは誰か、再会した6人の旧友たちが過去を振り返りながら、それをあぶりだしていくというストーリーでした。6人の女性に扮したのは、ポーラ・プレンティス、ティナ・ルイーズ、ステラ・スティーブンス、キャスリン・デーモン、ロレッタ・スウィット、シェリー・フェブレー。このほか、事件を調査するのもソンドラ・ロック扮する女性、寮母や回想シーンで6人の若い頃を演じるのも当然女性で、要は出演者すべてが女性でした。それだけでなく、主要スタッフもほぼすべて女性で固め、撮影監督のみ男性だったようです。
「セレブリティー」や「レッサー・エヴィル」の男たちが全員何らかの罪を犯していたのと違って、この作品の女たちのうち、堕胎をしたのは1人だけです。物語の最後で、それが誰かは明らかになりますが、女性たちは彼女をかばいあうことにします。また、ドラマの途中でレズビアンだとカミングアウトする女性が出てきます(男性と付き合わないので、堕胎したのは自分ではないというわけです)。ほかの5人は、ずっとそのことを知らなかったのですが、それでも友情は変わらないと彼女を受け入れます。このような女性同士の連帯を描くのが目的で、推理の面白さやサスペンスは二の次という印象を受けました。何より、セピア調の回想シーンが入るとドラマの緊張がゆるむ感じだった記憶があります。回想で絵解きをせずに、現在の場面だけで誰が堕胎したのかを追及する作りにしたら、ジュリアン・デュビビエ監督の「自殺への契約書」(1959年)のような白熱したディスカッション・ドラマに仕上がったかもしれません。
なお、この作品は日本語吹替版も女性スタッフで固めて作ったと、解説の淀川長治さんがおっしゃってました。吹き替えのキャストは、ポーラ・プレンティスが桃井かおりで、シェリー・フェブレー(「うちのママは世界一」の長女役で劇中歌「ジョニー・エンジェル」をヒットさせた歌手)が萩尾みどりでした。そして、演出を担当したのが黒澤明監督の右腕<ガール・フライデー>だった野上照代さんだそうで、録音風景の写真を解説の合間に見せていました。られた6人の過去




















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