「ヒズ・ガール・フライデー」
ベン・ヘクトとチャールズ・マッカーサーが共作した戯曲"The Front Page"(1928年)の最初の映画化「犯罪都市」(1931年)は、まだ見るチャンスに恵まれませんが、続く「ヒズ・ガール・フライデー」(1940年)「フロント・ページ」(1974年)「スイッチング・チャンネル」(1988年)は見ました。
「ヒズ・ガール・フライデー」は、日本では1986年に初公開されました。当時、わたしは関西に住んでいて、扇町ミュージアムスクエアという演劇の上演で有名な場所で見たせいか、この作品は原作が演劇だということが強く記憶に残っています。
扇町ミュージアムスクエアでは他に、アルフレッド・ヒッチコック監督のサイレント映画数本、ロベール・アンリコ監督の「ふくろうの河」という短編、ロバート・ロッセン監督の「ボディ・アンド・ソウル」などを見ました。
関西の小劇場演劇の中心というだけでなく、ユニークな企画で旧作を上映してくれる映画館の顔も持っていましたが、5年前に閉館してしまいました。
「ヒズ・ガール・フライデー」と「スイッチング・チャンネル」は、主役の敏腕記者ヒルディを女性に変えています。「犯罪都市」と「フロント・ページ」では、ヒルディは原作どおり男性です。
4回映画化されていてVHSやDVDで見ることが出来るのに、舞台版の人気も根強くて、ブロードウェイだけでも3度リバイバルされています。地方劇団の上演も含めたら数え切れないことでしょう。
日本では、10年ほど前に文学座が「特ダネ狂騒曲」のタイトルで取り上げていました。新宿の紀伊国屋ホールに見に行きましたが、時代遅れになっている印象がありました。3幕構成で2回休憩が入るのでダレますし、時代背景を1920年代から1950年代に変更しているのが違和感につながっていたと思います。原作のままでは通じにくいからアップデートするのは良いアイデアですけど、そのやり方が中途半端だと感じました。なお、アップデートは日本側でしたのか、原作にアップデート版が存在して、それを訳しただけなのか、ちょっと調べただけでは分かりませんでした。
この舞台はイギリスでも人気があるようです。1982年には、"Windy City"のタイトルでイギリスでミュージカル化されています。このミュージカル版は、ヒルディが男性のバージョンで、どうやらブロードウェイで上演されたことはないみたいです。さらに2003年には、ヒルディが女性バージョンの"His Girl Friday"をナショナル・シアターが上演しています。これはイギリスのプロダクションではあるものの、脚色のジョン・グエアと演出のジャック・オブライエンはアメリカの有名な演劇人です。少し前に書きました"Frost/Nixon"と逆のコースをたどっているように見えます。
さて、次に考えられるパターンとしては、"His Girl Friday"がブロードウェイで上演される、"His Girl Friday"がミュージカル化される(それがさらに映画化される)といったところでしょうか。"The Front Page"はすでに古典と呼んでいい存在なので、これからもいろんなバージョンが生まれるでしょう。それらと比較するためにも、日本語版DVDが手に入らない「犯罪都市」と「フロント・ページ」を早急にDVD化していただきたいです。




















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