ヘッダーの始まり


グローバルナビゲーションの始まり
ホームニュース特集インタビュー動画コラムレビューランキングフォトギャラリーピックアップ
最新映画情報V ブログ(選択中)教えて!エンタ業界転職情報フロムジャパンV プラスメールマガジンプレゼント
V BLOG
パンくず式ナビゲーション

「夜顔」~ブニュエルに捧げられた38年後に作られた華麗なるエピローグ

| | コメント(1)

yorugao.jpg 

 昨年のフランス映画祭で上映され、その後年末に一般公開された「夜顔」は、1967年に製作されたルイス・ブニュエルの代表作「昼顔」の38年後のエピソードが描かれている。この映画の何よりも驚くべきことは、「昼顔」でアンリ・ユッソンと言う重要な役回りを演じたミシェル・ピコリが、再び同じ役を演じていること。そして、この映画のオリヴェイラ監督は、なんと今年100歳になるということ。おそらく現役の映画監督では最高齢だろう。

 もちろん独立した作品としてみた場合、この映画の主題を探そうとすれば、人の心の内部と言うものが永遠に謎であることや、真実と言うものの不確かさなど、人生の秘密や不可思議を見事に描いている作品だ。しかし、前作の「昼顔」や他のブニュエルの映画を未見の観客にとっては、70分と言う中編映画とも言える上映時間でのセリフのやりとりなどだけで、この作品を十分に楽しもうというのは、むずかしいかもしれない。それほどまでに、本作品は38年前の「昼顔」のための見事なエピローグに仕上がっており、そこにはブニュエルへのオマージュに溢れている。

 ブニュエルが生涯かけて描いたテーマのひとつは、痛烈なブルジョアジー批判である。ブニュエルは、上品に気取る彼らの内面に潜む低俗さや醜悪さを暴き出す。ピコリ演ずるアンリはその象徴的な存在であり、「夜顔」においては、主人公はセブリーヌでなくアンリであると言っても過言ではない。彼の悪魔的とも言える本性はこの映画の最後に暴かれるのだ。(フェルナンド・レイという俳優もまた、他のブニュエル映画である「哀しみのトリスターナ」や「ビリディアナ」の中で同様の役どころを見事に演じている。)

 また「昼顔」に登場する小道具が本作でも登場する。前作で東洋人が娼館に持ち込む謎の小箱。開けると羽虫のような音がするが、それが生き物なのか、何かの仕掛けがある小道具なのか、まったく観客には分からない。しかし、他の娼婦たちがそれを見て顔をしかめて逃げ出す場面があり、何らかの性的な道具なのかもしれないことを暗示する。この東洋人の登場によりセブリーヌは、完全に快楽の道に陥るのである。「夜顔」では、アンリが骨董屋で同じ箱を偶然に手に入れ、これをセブリーヌに贈ることで忌まわしい過去の記憶を甦らせようとするのである。

 「昼顔」はカトリーヌ・ドヌーヴの代表作の1本であり、ピコリと共にドヌーヴもまたセブリーヌ役を演ずることは可能であったはずだ。「昼顔」を見たものなら、ドヌーヴへのオファーが無かったのか気になるところである。しかも、オリヴェイラ監督の「家路」では、ドヌーヴとピコリを起用している。オファーがあって、ドヌーヴが断ったのか、あるいは最初から別な女優にセブリーヌ役を演じさせようとしたのか?真相の程は分からないが、興味深い話がひとつある。

「夜顔」は映画の冒頭で、ブニュエルと共に「昼顔」の原作を共同で脚色したジャン・クロード・カリエールにこの作品を捧げているが、彼はブニュエルと数多く仕事をしている。ブニュエルの遺作「欲望のあいまいな対象」もまたカリエールがシナリオを手がけている。この映画は、初老のブルジョア紳士をあのフェルナンド・レイが演じ、2つの顔を持つ女に翻弄される物語なのだが、なんと映画の中で同時進行でまったく別な女優が同じ役柄の女性を演ずると言う大胆な演出方法が取られた。「昼顔」のセブリーヌもまた夫を精神的には愛しながらも、肉体的には他の男に身をゆだねるという二面性を持ったヒロインであり、「夜顔」において、まったく別な女優がセブリーヌを演じたとしても不思議な話ではないのである。

 
 
 

コメント(1)

れーめん :

こんにちは。
本文と関係ないコメントでごめんなさい。
名刺にあったアドレスに3度メールしましたが、3度ともシステム・エラーで戻ってきました。
間をおいて再度ためしてみます。
土曜日は話がはずんで楽しかったですね。
では、また。

コメントする

2008年4月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

タグクラウド

カテゴリ

アーカイブ

フッターの始まり